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4 確実な銘柄選択

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① 増資期待銘柄を狙え

先に、銘柄の選択の基本は好業績で時代にマッチした製品や技術で好業績のものはなお良い。それと需給関係の良い銘柄、そしてチャートの位置の良いもの。このポイントを抑えているだけで銘柄選択は合格である。しかし、より上昇の条件をそろえようとすれば、会社側の株価に対する姿勢がどうなのかについて見抜く必要がある。

そもそも株価とはなぜ安いよりも高い方がよいのか。それには株式とは何かについて知る必要がある。基本的なことはここでは説明しないが、事業家は会社を設立する際に投資家に事業を説明し、賛同を得られて出資してもらう。その出資の証として株式を発行する。その資金は返済の必要がないが、事業で収益が挙がれば投資家に分配する。それが配当金である。そのほかにも投資家の権利はあるが、それは割愛するとして、株式は事業拡大によってドンドンと収益を上げられるようになってくると分配金を多くもらえるという期待が強まる。そうすると株式の価値は上昇する。他の投資家がそんなに価値が上がるのならば、是非、譲ってほしいということで、その売買するところが必要になり、取引所がつくられた。価値のある会社の株式は値上がりするようになり、株価が高くなる。投資家ははじめに出資した資金よりも多くの利益を値上がり利益によって得られて儲かる。会社も新規事業に膨大な資金が必要になり、取引所を通じて不特定多数の投資家から資金を新たに集める。高い株価で発行すれば少ない株式量で多くの資金を集めることができる。

高株価の良い理由は以上のようなことからいえる。株高イコール、会社の資金調達有利、投資家の値上がり利益大という関係になる。下落すれば逆である。

新製品発売の設備、新技術による製品の工場建設などという大型設備投資を会社が決めると株価は高い方がよいという意識になる。大型投資は会社の毎年の既存設備の償却資金を大幅に上回る。例えば、年3億円の償却金額に対して、新製品の工場に10億円必要だったとすれば、償却額を3倍も上回るために、足りない部分はどこからか資金を集めてこなくてはいけない。当面は銀行借入れで対応するが、それでは、金利もかかり、返済をしなくてはならない。もしも、新製品が不発であった場合、借り入れは大きな負担になり、不良債権化する恐れがでてくる。そこで、株式発行という投資家へ投資資金の返済不要の資金が有利になってくる。しかし、株価が低い位置にあれば、大量の株式を発行しなければ必要な資金が集まらない。そこで、将来、この製品を発売すれば収益がこれだけでるというような事業PRを投資家に向けて訴える。それが、現在の会社のIRと呼べるものである。もちろん、増資の時だけでなく日頃から会社の内容を知ってもらうために、このIR活動は一般化されるようになってきた。そのようにして、投資家は将来性があるならば株を買うことになって、株価が上昇しはじめる。そして、適当な株価になった時点で増資、すなわち、時価発行(公募増資)とか、転換社債、外債などを発行して資金を集める。それが高株価への仕組みである。会社側が株価に用事ができたときには常日頃よりもよく株価が上昇するという理由である。したがって、増資する可能性のある銘柄を買えば投資作戦はだいたい成功するのである。

一例を挙げる。東洋機械金属(6210大阪2部)は射出成形機、ダイカストマシンの専業メーカー。2003年3月期には連結売上げ161億円(前期比56%増)、経常利益5億8300万円(前期10億1900万円の赤字)の業績で、04年3月期は経常利益28億円、最終利益14億円と飛躍的な業績を達成した。この伸びは既存のアジア向け80%の射出成形機やダイカストマシンの好調さに、2002年に開発に成功した電動式で世界初の同時に2枚製造のDVDのディスク専用製造機に受注が殺到しことが要因であった。

そのため、2003年には増産体制を整えなければならないために、それまでの年間償却4億円前後では対応できず、03年3月期には一気に設備投資は12億円を超えるようになった。04年も同じような額になり、資金調達が不可欠な状況になったのである。当面は銀行借入れでしのぐが、高株価による公募増資を2003年11月に709円で250万株実施している。35億円の調達である。

この計画は2002年9月中間決算発表時からはじめている。当初証券会社のアナリストを相手に会社の説明会を実施したが、大きく株価を刺激することに至らなかった。そこで、2003年1月に個人投資家相手の説明会を開催することを決めた。それを決めた11月末ころから株価は動きはじめ、200円台が開催当日には492円まで買われた。説明会の後は400円台でもみあったが、6月中旬から再度上昇に弾みがつき、9月には1200円台まで上げた。4倍の上昇である。そして、先ほどの公募増資を実施したのである味な会社であったが、現在の保田社社長は基本的な考え方は投資家を大事にする方針で高株価に協力した関係の会社も大事にする。ところが、自分だけがよければ、協力者は徹底的に利用して用事が済めばポイ捨てという会社もある。ダイヤモンドシティ(8853)がそれにあたる。

同社は2001年から高株価策の準備をしている。大規模小売利店法の大改正をキッカケに巨大商業施設を毎年1箇所以上全国に建設する計画を打ち出した。ちょうど大規模展開の本格化を前に高株価策をはじめたのだ。株式新聞はじめ専門紙の前で説明し、新施設の案内などをするのだが、高株価になれば用事なしでその後はウンともスンとも言ってこない。利用するものは徹底的に利用して自分だけが儲かればよいというエグイ会社である。こんな会社は投資家も利用されるだけで注意した方がよい。

② 会社の姿勢はどうか

ダイヤモンドシティの我がさえよければの姿勢をもつ会社はほかにもある。しかし、そういう姿勢を続けているといつか大きく叩かれるときがくる。現在、三菱自動車系の欠陥トラックによる死亡事故問題が注目されている。自分の責任をひた隠して、整備責任に転嫁するという許されない事件に発展している。最初の段階で欠陥を認めておれば、第2、第3の事故は防ぐことができた。そればかりか会社の存立問題にまで問題を大きくしたのである。その責任は深く、重い。その精神の裏には自分さえよければ、他は利用したほうが勝ちとう倫理に行き着く。

会社は勝手に大きくなったものではない。創業者の不屈の努力に、ユーザー、取引先の高い評価、株主や地域社会の理解、従業員の努力などによって大きくなっていくのである。大きくなればなるほど自社以外の要素の理解がなければ発展は難しい。現在メジャー呼ばれている会社は当初は「自分さえ・・・」という意識が強かったが、大きくなりだしてから積極的に周りへの配慮に積極性がでてきた。ダイヤモンドシティは地域との密着そのものの事業であり、助け合うということについては理解していなければならないはずだ。いずれ、頭を打つことがあるとみている。

大阪の岸和田にフジ住宅(8860大阪2部)という会社がある。今井社長は1990年以後のバブル崩壊で起こりうるべき事態をいち早く察知して有利子負債と所有不動産の処理を急いだ。その結果、すでに2000年には不動産の含み損が消えて、有利子負債も大きく減少させることに成功した。関西で含み損の処理をもっとも早く消したことでは注目された。社長は社員を大事にすることはもちろん、取引先、株主、証券、マスコミに至るまで関係する企業や個人を問わず大事にする。

しかし、本拠地が岸和田ということで株価はなかなかその実力を本格的に評価されずにいた。しかし、2000年以降、経営に絶対の自信を深めたことをキッカケに積極的に個人投資家への会社説明会を毎年実施しはじめた。

はじめは200円台と実力とはかなりかけ離れた水準に甘んじていたが、2002年以後、その努力が業績の伸びと株式市場の回復が加わって、上値を追うようになり、2003年1月には300円台、11月には800円、そして、2004年4月には1000円台に乗せたのである。

単なる分譲住宅ではなく、時代の流れをいち早く取り入れて、常に発展を続ける会社として評価されだしたのである。リート(不動産投資信託)を利用したマンション建設を関西で初めて実現したことは特筆すべきであり、大手商社、大手電鉄会社などがそのノウハウについて教えを乞うということが起きている。

2005年3月期にはそれが大きく業績に寄与して1株利益が98円を見込んでいる。株価も1000円台以上での活躍が見込めそうだ。

このように会社の投資家に対する積極的な姿勢はもちろん、増資で世話になる証券会社はもちろん、、投資顧問会社、マスコミなどに常にサービス精神をもつ会社こそ本物の上場会社として認められるべきなのである。 人間だけでなく、会社も法人というのであるから人間と同じで日頃からの行いが大切である。用事のあるときだけ、周りの人を動かして、利用するだけの付き合いの人は「何だこいつは」と思われ、次からは周りは付き合い方を変える。それと同じだということを経営者は認識をもつべきである。投資家はそういうことを日頃から見極めて会社を選択することも忘れてはならない。

③ 増額修正した時の判断

 企業活動はすべての資源を事業に集中させて収益を挙げるために全力投入する。上場企業は毎年、その結果を公表しなければならない。それが決算発表である。同時に、次の見通しについても一部の業界を除いて発表している。2004年3月期では金融機関を除く収益は30%を超える経常増益となり、2期連続の大幅増益になった。2005年3月期も12%以上の増益を見込み、3期連続の増益をとなりそうだ。デフレ下での増益であり、売り上げは微増状態が続く。

増額修正した銘柄は株価に反応し、発表した日には大幅高になるケースが多い。即、その動きについていくことも構わないが、増額修正の要因を検討してから仕掛けることが望ましい。例えば、土地を売却して最終利益が膨らんだとか、季節的な要因で一時的に収益が膨らんだとか、子会社上場による利益がでたなどという一過性による利益は株価が上昇しても、これまた一過性の線香花火で終わることがある。そういう時には増額修正であってもむやみやたらに買うことはしない方が賢明である。

しかし、04年3月期の初めの予想で新製品やヒット商品をもっていながら、売れる自信があっても堅い目の予想をした企業は中間決算でほぼ間違いなく増額修正している。

 例えば、日本CMK。2003年9月中間決算発表前の10月29日に2004年3月期の収益見通しを連結経常利益24億円から56億円へと強烈な増額修正をした。DVD向けのビルとアップ基板が折からのDVDブームに乗って、会社の予想をはるかに上回るペースで伸びて驚異的な増額修正とした。株価は発表時の29日には685円だったが、10月31日から本格的に反応しはじめ、同日から3日間ストップ高を演じ、1000円に乗せてしまった。その後、860円まで反落した後、2004年1月には1300円台、3月には1700円台まで買われた。そして、5月21日に決算発表が

行われたが、実に、92億円という連結経常利益となったのである。1株利益は87円。ちなみに、2005年3月期の予想は93億円と1株利益103円と予想している。

 締めてみると当初予想のほぼ4倍という利益を出したことになる。こういうケースは極めて稀であるが、予想をはるかに超える業績修正した銘柄は1度だけでなく2度以上あるとみて、ストップ高であっても買いに行くべきである。CMKのように3日間もストップ高となった場合には必ず、一旦、調整安するケースがあり、それを待つこともよいが、どこが買い場になるか分からないので、とにかく、最初の動きにいくら高くなろうともこだわらずついていくことが重要。いずれにせよ、先高が非常に高いと知っておけば、目先の上げ下げは関係ない。

増額修正が発表されるまでの間に株価が相当上昇していた場合には買いは見送ることが賢明。その上昇が増額修正を織り込んでいたことになると判断するためだ。大抵は材料で尽くしになる。しかし、その後大きく突っ込んだ場合には買いに分がある。先に、言ったように増額修正した銘柄は再度、増額修正に進むケースがあるためだ。ただし、大幅な増額修正した場合だけにとどめる。

ところで、減額修正銘柄の処分。たまたま、もっていた銘柄が減額修正した。これも中身が大事。特別損など一過性で減額修正された場合には下落状態が長く続くことはない。ある程度の下落で反発を期待できるため、戻りを待つこと。下落前の株価を期待せずに安値からの3分の1の戻りが処分のめど。

比較的値を保っていて、それがキッカケで下放れた時には、ちゅうちょなく「しまったら仕舞え」を思い出して処分すること。すでに、下落状態が続いていた場合にはそれが悪材料で尽くしになって、底入れ形成をする場合もある。

しかし、筆者ならば「そんな悪い銘柄ならば後生大事にもつことはない」とみて、即刻売却して処分するだろう。

事業の見通しが狂って減額修正に進んだ時にはこれはもう、どんなに売られた場面であっても、安易な気持ちを捨てて、いくらでも良いから売却方針を貫くことまず、戻ることはないと思うこと。そして、追い討ちをかけるように再減額の可能性がある。典型的な減額修正の実例を挙げてみよう。

サニックスという会社がある。シロアリ駆除や家屋補強事業を収益の柱にしているが、環境事業として廃プラスチックを燃料とした発電所を北海道で進める計画をしており、環境事業の第一人者として知られている。2003年3月期に連結経常利益予想を101億円(02年比前期比31%増)と予想していた。ところが、11月5日に同利益の予想を25億円と大幅な減額修正を発表(新聞掲載は6日)した。関東地区での家屋補強事業などが計画を大幅に狂ったことが原因だった。5日の終値は1242円。6日には当然売り物が殺到し、ストップ安の1042円。売り物がすべて消化されずに、翌日もストップ安で一気に842円まで値がつかなかった。更に、8日も売られ、一時、775円まで売られた。そこまで売られると環境関連というイメージが強いために、11月下旬には1250円まで戻す場面がみられたが、その後は下落の一途をたどっている。

この銘柄は実は8月に初めて減額修正をしている。8月7日に明らかになり、その日は当然ストップ安で1950円の400円安。翌日もストップ安寸前の1661円まで売られていた。このときは戻りが全くなく1300円に至ってからわずかに、1500円台まで戻したに過ぎない。そして、11月の発表でようやく底を入れたことになる。このように、減額修正企業は必ずといってよいくらい再度減額修正がある。最初の減額のときに、ストップ安でもよいから売却することがいかに、賢明かが分かるだろう。

初めの減額で売られたときには、それこそ「しまった」と思うだろう。戻ることはないとショックの気持ちを抑えて、冷静に処分することを実行することだ。

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