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6 買いのつぼをみる

目次

①、とにかく買え

 買いと判断するパターンについて説明していく。これはあくまでも、誤解のないように言っておくが、100%確実な判断ではない。概ね、過去の経験則からいって買いに分があるとみられるものについて説明するもので、それを理解した上で頭に入れてほしい。

 株価上昇の条件を何回となくお話してきたが、ここからは実戦的にどういう時が買いのチャンスになるかについての具体的に説明していく。チャートの判断が加わる。

 まず、第1番目には「とにかく買え」ということである。講演会で証券会社の演者が「この銘柄が今後、期待できそうです」と参考銘柄を上げられることがある。3銘柄程度挙げる演者もおられる一方で20も30銘柄も挙げる方もおられる。その中から自分がもっとも好さそうだと思う銘柄を選ぶ。それが400円の銘柄だったとする。実際、買う段になると390円くらいの指値をする投資家が結構多い。たまたま、その銘柄が上がり420円ぐらいになった。それでも390円で指値をするが、買えない。そして、450円、480円と上がりだす。買えない銘柄はよく上がるもので、そのままあきらめてしまう。そういう経験は必ず誰でももっていることだろう。折角、買うと決心した場合にはケチな指値などせずに、とりあえず、成り行きで買うのである。もちろん、いきなり、大量に買うことさえしなければよい。3000株買う予定であれば、とにかく1000株を成り行きで買うのである。そうすることでチャンスを逃すことだけは最低限、防ぐことができる。あらかじめ、損きりする水準を決めておくことで大きな損を防ぐことができる。買うと同時に利食いの目標、期間、損きりの水準を決める。それはこれまで何回も指摘してきたことである。それさえ、守ればどんな銘柄でもこわくないのである。あいまいな感覚で投資をしようとするから妙に腰が引けて買う前から負け勝負のような買えそうもない指値をするのである。売買に対してハッキリとした姿勢さえ示していれば何も恐れることはない。

②、何回も指値変えしない

 前項で変えそうもない指値をして儲けるチャンスを失った場合に、改めて、追いかけて指値をすることがある。例えば、400円の時に390円の指値をしたが、420円まで上がってしまった。そこで、410円で指値をする。すると、440円になってしまった。そこで、430円で指値した、というようなケース。

こういうストーカーのような追っかけ指値は必ずしもよい結果を招かない。結局、その銘柄が調整期に入ったときに買えることになる。一番、値上りの順調なときに買えず、止まったときに買えるということになるものだ。

 すなわち、旬のタイミングを失って買ったということだ。一瞬、いい女だと思っても、デートになかなか誘おうとしないでなかなかできないで、かなり時間が経ってデートを申し込んでみると結婚していた、というようなものである。即、誘ってみれば早くあきらめ、次のいい女を探せたのに無駄な時間を費やしたようなものである。

 銘柄の買いのタイミングをずらしてしまったことになるので、そういう買いはしない方がよい。

③、初期波動につく

 長い間無相場や下降相場の後、3ヶ月くらい下値で揉んだ銘柄が揉みあいのゾーンを抜けたときには積極的に買う。こういう銘柄は冬眠から覚めた銘柄であり、じっくり、ゆっくりと上値をジリジリ追いかけて、時間が経つにつれて、上昇ピッチが早くなっていく。目先的に儲けようというよりも3ヶ月先をメドに利食いを考える作戦が望ましい。

一例を挙げよう。新光証券は2002年11月に110円の安値をつけて底入れした。その後、120~150円のボックス相場が2003年5月まで続いていた。6月に入って4日目に一気に169円まで急伸し、ボックスを抜けた。その後180円前後で6月中旬までもみ合った後、213円まで上昇し、7月には315円まで上値を追った。これは株式相場が5月から活況になり、証券会社の業績回復が相当見込めると予想されて、急騰しはじめた。底入れから6ヶ月余り経過してからの初期波動であった。非常に豪快な展開を初期波動からみせたが、通常はもっとおとなしいボックス抜けになるケースが一般的。その抜けたあと、必ず、一旦、ボックス圏の上値あたりまで押す。それを出る杭打たれるというと呼ぶ。そこが買いチャンスになる。比較的確実に成果を得られる動きであり、日ごろから長期もみ合い銘柄をいくつかマークしておき、動きにつくことが望ましい。

④、中段もち合いの放れにつくこと

相場が材料を織り込みはじめ、上昇に転じたとする。材料の大きさによって上げ幅は違ってくるが、1~3ヶ月で15~30%以上上昇した銘柄が一旦、天井をつけた後、大きく下落しないで高値圏内でもみ合う場合がある。それを中段保ち合いと呼ぶが、1ヶ月半から3ヶ月その状態が続いた後、再度高値を更新し、その後も上値追いが続くパターンが時々みられる。中段での保ち合い状態から放れるときは積極的に買う方針でよい。タイミングの取り方としては高値を大きく抜いた後、一旦、反落する。そのところを待って買う作戦がよい。もちろん、相場のチャンスを逃さないためにも、高値を抜いた時に、少し買う作戦も悪くはない。

一例を挙げる。2003年12月22日にハリマ化成(4410)は600円の安値から本格上昇をはじめ、2004年2月2日に760円まで上げて、反落する。その後、3月25日まで690~750円までの間で調整を続ける。26日に760円の高値を抜いて、一旦、734円まで反落して、4月20日の892円まで上昇を続けた。中段保ち合いの期間は1ヶ月半余りである。

そういう展開にうまく乗って利食いを考えるメドは5~10%程度の確実な利食い目標でよいのではないか。妙にツメを伸ばさないことである。スタート時のように勢いがよい場合ではなく、最後の残り福をいただく投資になると考えたほうがよいのである。深追いは禁物である。大きく上放れてもそこからモタモタしはじめると一旦退却も考えてよい。

⑤、押し目はマド狙い

 一気に材料が飛び出して、大量の買い物を集め、いきなり300円の株価が50円高という展開になることがある。すなわち、300円の次の株価が350円ということになる。301~349円の部分が飛んで株価の連続性が失われたことになる。株価は不思議なもので連続性にこだわる一面があり、後日、この部分をとりに来る習性がある。飛んだ部分をマドと呼ぶが、それを埋めてあらためて上値を追うことが多々ある。したがって、急騰して大きなマドを空けた場合には、そのまま更に上値を追っても、あわてずマド埋めの少し手前の水準で買う待ちの姿勢で対処することも一策である。ただし、マドを埋めてそのまま下にいくことがあるので、その場合にはこだわらず、一旦、退却することを決めておくこと。

一例を挙げる。2004年3月25日の富士通は627円で終わった。翌日、26日にはいきなり大量の買い物を集めて、651円で寄り付き、645円の安値をつけて659円で終わった。627円と645円の間にマドが開いたことになる。株価は4月6日に698円まで上げたあと、反落し、4月19日に628円まで下落した。これによって627円とのマドが埋まったことになり、マド埋め完了となって、株価は20日から上昇し、5月6日に782円まで急騰している。

典型的なケースであった。このように、一気に急騰してもあわてることなく、マドを埋めにくるまで待ってみるのだ。ただし、マドを埋めにくるといっても、2~3日の短期的な場合がある一方で6ヶ月後に埋めに来るものもある。相対的に3ヶ月以内に埋めにきた銘柄は上値追いのケースが多いが、あまり、長いマドは必ず上昇するというものではない。むしろ、相場が終わった結果、マドを埋めに来たというケースになる。やはり、上昇時期の若い相場の場合にマドを埋めたところを狙うのが作戦として良いように思う。

⑥、急騰後の初押しは買い

好材料が出現して、それこそマドを開けて急騰した銘柄の初押しは買いのチャンス。先ほどの富士通の例も急騰後の初押しがたまたまマドまで押して買い場を与えたことも意味する。いきなり、急騰するとそれまで長くもっていた投資家がやれやれということであわてて売ってくる。その反動が初押しという形を形成するのである。出来高が膨らんで急騰したことは大幅増益見通しか、増額修正か、大幅分割か、増配か、業績を刺激する新技術か、大型提携か、アナリストの買い推奨(レーティング格上げ)などのいずれかの場合が考えられる。それ以外の急騰劇は大口投機筋(仕手筋)の参入か、表面化かしていない材料の事情通の買いなどブラックな一面が理由になる。理由のハッキリしない急騰劇はなるべく避けることである。増額修正などを発表してそれまで大きく上げていない場合の急騰は初押しを待ってからでも遅くない。待っている間にジックリと材料の大きさを検討してどのくらいまで期待できるものなのかを考えておくべきであろう

⑦、高値更新は一旦、乗れ

株価が上昇を続けて、今年の高値をめでたく更新したとする。昔から「新値につけ!」といわれる。高値更新した銘柄はその後も上値を追うといわれている。絶対にそうだという断言はできないが、状況によって確率の高い成果を挙げられる。

高値更新のパターンとして、A、一気に抜く、B、じわじわ抜く、C、ほとんど高値と同じ位置でとまった、という3つのケースが考えられる。

Aの場合、抜いた後で一旦反落しても前の高値のところで止まって、反発した場合。これは素直に買い姿勢でよい。また、前の高値を下回っても上昇トレンドが25日移動平均線を割り込まないで、反発した場合。これも、買いに分がある。抜いてから反落し、前の高値も下回って反発もなく、もみ合いに入りだした。これはクドクなるため、見送りが賢明。Bのケースについても基本的な買いの姿勢は同じとみられる。Cについては二番天井になるケースもみられ、上値追いになるかどうかは状況による。相場全体が上昇基調にある場合には上値期待をもてるが、下降局面では見送りが賢明ではないだろうか。

いずれも、相対的な意味での売り買いの判断になるが、その銘柄が非常に大きな材料をもっている場合には目先の動きにとらわれず高値更新後も上値を狙えるとみて持続する方針でよい。また、自分が何となく上値を買う自信がないと感じたときには無理をせずに買いを見送ることでよい。

⑧、大底圏では二回目の安値で買いを入れる

大きく相場が反落しはじめ、戻っては大きく売られ前の安値を大きくしたまわり、また、戻っては大きく安値を更新するパターンが繰り返されていくが、どこかで大きく反発に転じて、再度売られても、前の安値近辺で止まるか、下落してもそれほど安値を更新しない場面が現れる。森精機、日産、三菱電機の大底入れのパターンを示した。Aが一番底で一度、Bまで大きく反騰して、Cまで反落するが、Aと大きな差のないところで止まり、改めてDまで上げて、ダメ押しのEをみて、上値追いになったところで買い出動する。

この3つは大底形成の典型例であり、急落場面での買いのタイミングを教えてくれる。この3銘柄ともにAとEまでの時間は1~2か月程度である。

2004年5月に急落相場があったが、一番底は5月17日になると仮定すれば、もう一段の底入れは6月14~18日辺りになるが、下落ピッチが早いことを考えるともう少し早く底入れとなってC、Eを確認できるかも知れない。

⑨、ストップ高は買いか売りか

ストップ高は投資家にとって最高の喜びといわれる。その日の上げ幅の限度まで上げることをストップ高と呼ぶ。株価の値段によって、決められている。100円台であれば50円、200~400円台では80円、500~900円台では100円、1000~1400円台は200円、1500~1900円台は300円というようになっている。

何しろ限度いっぱいまで買われるために、そのチャンスにめぐり合うことは少ない。それだけに、経験するだけで大きな喜びになるのだが、筆者に言わせれば、ストップ高はあまり良い現象とは思わない。なぜならば、相場のリズムを壊してしまう出来事と解釈しているためだ。「ストップ高は明日の値段まで買う」ともられる現象で、翌日もストップ高を続けたり、大幅に買われることは意外に少なく、翌日には高値で寄り付き、後は値をくずすことになる。仮に、値を保ったとしても3日目からはくどいもみ合いに入ったり、反落するケースが多い。ストップ高よりもそこそこ値上りを続けるほうが上げるリズムが守られているため、結果としてストップ高の値段よりも数日のちに上回ることになる。

それでは、ストップ高は売りか、ということになるが、そうではない。ストップ高は強烈な先高暗示の意味もある。それまで、あまり買われていなかった銘柄が意外な好業績発表をキッカケにストップ高で一気に流れを変えることがある。そういうオープニングセレモニーのような役割りを果たすストップ高は翌日からの反落ということを気にしないで、とにかく、少しでも買うことが望ましい。業績が予想以上のように収益を一変させるような場合や大幅分割、大幅増配などの刺激的な材料の場合にはストップ高は恐れることはない。一旦、調整に入っても、のちのちストップ高よりも数段高い水準まで株価は到達するものである。一過性の技術だけを材料にしたストップ高はその後の値もちも悪いことが多いので見送りが賢明であろう。

売りのケースは相当相場が上昇した後に、ストップ高となった場合である。上昇し続け、それまで買いを見送っていた投資家が辛抱しきれなくなって、ワーと一斉に買い付いた時にたまたまストップ高になってしまったと判断すべきで、相場は仕上がったと解釈すればよい。それまで、その銘柄を持っていた投資家は一旦、売却すべきであろう。要は急騰期の判断を考えればよい。

⑩、チャート上での買い判断

A、かぶせを取る。図のようにかぶせを一気にとる場合に

は、悩まず買い姿勢。この勝利の確率は非常に高い。筆者が10パターン以上調べたところ全部、その後、上値を追っている。

B、上値遊びにつけそこそこ上昇したところで、図のような形になった状態を上値遊びという。大陽線の上のところで小さい陽線、陰線がいりみだれてもみ合っている。この場合6本程度からはなれるのが理想とみられるが、最大、12本までに、放れなければ上値遊びとは呼べない。単なるくどいもみ合いである。これも放れると上値追いがしばらく続き、確率の高い買い判断である。

C、突っ込んだ後の十字足。下落基調を続けていた株価が最後に大幅な下落になった時に十字足が出る。これは天底の兆しとして昔から転換線と呼ばれている。大幅安の時には買い、大幅高が続いた後にでれば売りというようなことだ。小さな動きの時には特に、売り買いの判断はしない。この従事の場合には、短期的な上昇を見込めるもので、一旦、戻した場面はすばやく利食いすることが望ましい。

D、陰の陰はらみ。相場が大きく下落したところで、長い陰線に小さな陰線が並んで形で重なった状態を「陰の陰はらみ」と呼ぶ。一見、更に下に向かうかのようにみられるが、底値形成の形をとる場合が多い。その後、反発を確認してから買う体制を・・・。

E、赤三兵。下値で長くもみ合っている状態にしばしば表れる買いチャンスを暗示するめでたいサイン。これは目先的には大きな上値を期待できないが、中期的には30%以上の値上りを期待できる。

F、やぐらは大相場の兆し。これも大底圏で現れるチャート。矢倉を構成するよう二本の柱の形のように長い陰線と長い陽線によって底入れ形成する。このチャートはなかなか現れないが、現れると問答無用で買いになる。上昇確率は100%近い。30%以上の上昇幅を狙える。

G、一空は積極買い。空とはマドのことである。マドはすでに説明したように、前日の株価との連続性が途切れて、空白部分が生まれる状態を差す。いきなり寄付きから大量の買い物を集めて、飛んだ状態である。買いの勢いが強いことを暗示しており、その熱気はしばらく続くことになる。「もう高い」と思ってあきらめずに、勇気をもって買う作戦でよい。最初のストップ高を狙うということとよく似ている。しかし、2つ目の空、3つ目の空は買うことは賛成できない。また、1空であっても、相場が相当上昇しているところでは新規買いは見送り。その銘柄をもっている場合には一旦、売りを考えることも一策。

H、並び赤は上伸を暗示。相場が上昇過程にあって、ちいさい陽線がふたつ仲良く並んだ状態をいう。これは必ずしもそれ以後、上値を追うとは限らない。確かに、上値を一旦、追っても利食いになるかどうか確実だとは言いきれない。70%くらいの確率で上値を見込めると解釈している。このチャートがでて翌日、買い物からはじまれば上値追いとなると覚えておくのがよいでしょう。

I、下値で陽線3~5本これも大きく下落した後で、すぐには反発しないものの、寄り付きは売られて引けにかけて戻すという攻防戦を3日以上繰り返した場合には底値と解釈して買い支持のチャートになる。しばしば間違うのが、買われて高い位置でこれが現れると天井形成の兆しと解釈するので、売りになる。要するに、天井近くでこうしたもみ合いがでると買っても買っても高値をとれないという現象になっているとみて、天井近しを知らせていると判断し、迷わず売ること。次の項の売りのつぼで説明する。下値で陽線3~5本は文字の通り、相当下値でこういうパターンがでなければ、買いとは解釈しない。よくその違いを解釈して覚えておくことだ。

J、化け線は底入れ近しを暗示。下落基調が続いている時に、突然、大陽線

が飛び出して、「スワ、底入れ」とみて、慌てて買いに走ってはならない。この線は底入れではないが、長らく続いた下落基調もそろそろ終わりに近いことを知らせてくれる。この化け線の寄り付き当たりまで再度、反落してから仕掛け始める。それを下回っても下値はたいしたことはない。3回くらいに分けて買えば、まず、底値で買える確率が高い。

 以上、チャート上での上昇確率の高そうな主な買いサインを示すものを挙げて説明した。もっぱら、4本足の日足を基本にみて判断することが原則である。これ以外にもチャート上での買いサインはあるが、あまり、細かい買いのサインを取り上げてみても意味がない。ことわって置くが、買いのサインがでたから後は大船に乗った気持ちで儲けの計算などをしながら待つという心境になってはいけない。上昇次第では数日で売りのサインがあらわれて、一転して、地獄へ突き落とされることもないとはいえない。そういうときに、自分の買った銘柄の中身はどうか、という銘柄の良し悪しが即刻売りになるのか、突っ込みは買いになるのかの分かれ道になる。だから、チャートだけで判断していると目先的な動きだけで行動をとるため、大きく利益をだせるものでも小幅の利益に止まってしまう。

 あくまでも、チャートはタイミングをみることに重点を置いて活用することである。

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