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7 売りのつぼをみる

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①、噴けばとにかく売れ

買った銘柄が調子よく上がっているときほど楽しいことはない。人間の株式投資での心理の移り変わりは知らない人からみれば、そううつ病にかかっているのではないかと思われがちである。上がれば一人でニコニコして、「何かいいことがあったの」と聞かれて「いやまあ・・・へへへへ」と株が上がっているからと言えないために、ついついわけの分からない表現になってしまう。へんな人とみられるが、それでも平気である。しかし、買値を下回ってしまうと突然、機嫌が悪くなり表情も固くなる。周りの人もついつい遠ざかる。一人で悩んでしまう。そういうことを繰り返し、結局、株価が上がりだすと今度は「どこで売ろう」と悩んでしまう。はじめにここで売ろうという目標を決めておけば、悩むこともないが、漠然ともっていると上がりだすと逆にうろたえてしまう。上昇基調に入りはじめると、株価は波のように上げ下げを繰り返していく。はじめは小さな波、そして、少し大きな波、更に、大きな波となって、最後は津波のような波で上昇基調が終わる。つまり、最後の波は最も大きい波になる。

2004年3月20日からの合同製鐵を例にとってみよう。安値189円が3月11日高値231円まで上げて、3月19日の211円安値まで調整。上昇率22%。

これが小さな波。そこを基点に3月30日に275円の高値まで上げて一服。少し大きな波。上昇率30%、そして4月9日から4月15日となり、40%上昇率。その間に4月14日には1日で瞬間70円高を演じており、噴き値となった。

その噴き値こそ売りのチャンスなのである。合同鉄鋼はこの噴き値が幸いにも2回もあり、極めて珍しい例である。しかし、それが終わると一転、急落し5月17日に269円まで下落している。

噴き値をみれば、躊躇なく売りをかけることを忘れないように。買い乗せするなんてとんでもないことである。

②、保ち合い下っ放れは問答無用

上昇基調を続けて、しばらく高値圏でもみ合う場面がしばしばみられる。それを中断もち合いと呼ぶ。買いのつぼの項の④で説明したとおりであるが、上に放れた場合に買いとなるが、下に放れた場合には売りとなる。下限の株価を割り込んだ瞬間に即、売却である。一気に下落したのち、戻ってももち合いの下限までであり、即刻売り姿勢で対処すべきである。「戻れば売ろう」などと悠長なことを考えていてはダメ。

③、上に行くほど株数減らせ

 上がり出した銘柄は人情的に「もっと買えばよかった」と思うものだ。誰でもそう思う。多少、上がったときには思いきって買いに踏み切ることがある。こわごわ買うが幸い、多少のブレがあっても上値を追う流れが続き、ドンドン上がっていったとする。そこで、まだ上がるのではないかと利食いではなく、買い乗せを敢行する投資家が結構、多い。筆者からみて危なっかしくてみていられないという行動だ。

 300円で1000株買い、330円で更に2000株、360円で2000株というように買い乗せて、ついに、400円では3000株も買う作戦を実行したとする。合計8000株で平均コストは360円になる。右肩上がりの相場では何ら問題がないが、波乱相場になればどうなるのか。平均コストは360円なのに、400円の買い値が気になって、400円前後で株価がモタモタすると売却しづらくなってしまう。そのうち、380円を下回ると頭はパニック状態になってしまう。何も損しているわけでもないのに大損

をしたような錯覚に陥る。そう言うときには、これを売ろうとかあれを残そうとかしないで、一旦、全部売却して清算することが望ましい。

 多くの投資家は一番利食いできる300円の銘柄をとりあえず利食いする。というように、利食いできるものから順番に売っていこうとするものだ。売却のテクニックは一番高い株価から外していくのが最も理想である。その理由は持ち株のコストを下げる必要性からである。300円の株価を売却すると残りのコストは368円と高くなる。330円を売ると384円になってしまう。株価が下落するとコストを下げること

が退却する際に重要になってくるのに、コストを上げてしまうことになる。最悪の場合、損きりを覚悟しなければならない。そんなときに備えて、コストは下げていかなくてはならないのだ。したがって、売却や退却を実行するときには高い株価から処分していくことである。この場合には400円から処分していく。トントンか若干の損がでてもコストが下げられる。400円を売却して336円まで一気にコストが下がる。多少、株価が下落しても問題がない。余裕をもって株価をみていることができるのである。人間、余裕ができると物事がよく見えるようになる。ここで売りとか、というような冴えが生まれて結果として投資成果が上がる。

 このように、株価上昇につれて買い乗せを実行することは悪いことではないが、上にいくほどコストを意識して行動をとる。
投資金額の現金の限度いっぱいまで買うようなことがあれば、高い株価から処分し、コストを下げること。決して実行してはいけないのは現金がなくなったからと言って信用取引で更に高い株価を買うことである。信用のコストが一番高くなることは自殺行為だと思うこと。一旦、相場が下落に転じると信用の含み損が急激に膨らみ担保切れになる恐れがでて、損の広がりが想像以上に膨らむことが現実化する。そういう目にあわないように信用取引で絶対に高値を買わない。

④、全員が買えば天井

 株価は静かな動きから始まって、先ほどの津波みのような怒涛の波で終わる。静かな動きの時には投資家の1%以下の極少数の方々が買う。そして、小さな波になれば5%くらい、中くらいの波になって20%、大きな波になって40% ぐらいの人たちが加わって、合計65%が買う。天井圏内では合計80

%の投資家が参加する。そのころには誰に聞いても強気の意見がでる。つまり、ほとんどの人が参加したため、続いて買う人たちが少数派になり、すでに買った投資家の分を吸収できずになって、反落に転じる。

 筆者は比較的早く銘柄を発掘することに生きがいを感じている。ほとんど動きのないときに執拗に推奨して、大きく動くころには全く推奨しなくなる。すなわち、誰もがその銘柄に関心がない参加者がゼロに近い時に推奨する。そして、5%、10%、30%というように増えていく。そして、大きな相場へと発展していくことが投資家のためになったと思っている。

 業績の大幅な伸びを見込め、それが、時流に合う製品によるものについては動きが小さいときに推奨していれば必ず、上昇するのである。筆者はそのセオリーどおりに推奨し、大きな相場に結果として発展した。

 このように天井圏に近づくほど株価のうねりは大きくなり、出来高も大きく膨らんでくる。自分の買った銘柄が気持ちよく上がりだしたならば、それはほとんどの人々が参加したものとして、逆に、逃げることを考えなくてはならないのだ。それを逆に人気があるから買うと判断するから負けてしまうのだ。人気絶頂の時には後ろ髪が引かれる思いであろうが、かならず、処分すること厳格に守ってほしい。

 売却は何回もいうが、最初に目標値、時期などを決めておけば、迷うこともない。目標の株価、時期を明確に決めることが自分の身や財産を守り、かつ、増やしていける道なのである。

⑤、前の高値を抜けない

上昇してきたにもかかわらず、前につけた高値を抜けずに、上昇トレンドを下に割り込んだ場合には売りを敢行するか、一旦、撤退を考える。一貫して続いた上昇パターンが崩れたことを意味しており、むきになって持ちこたえることもない。このトレンドは移動平均線にも通じる。いわゆる、25日移動平均線を割り込んだ場合には売りとされているが、それと同じ意味と考えれば好い。二番天井をつけたという意味で毛抜け天井、三尊天井、ダブルトップなども同じ意味である。これが日足の場合には、3週間程度調整して改めて、高値に挑戦する動きがあるので、それまで、待てば高値更新のチャンスもないとはいえない。週足で形成したならば半年などという長い時間も覚悟しなければならないことも注意。

⑥、売り判断のチャート

買いサインのチャートを先ほど紹介したが、今度は売りのサインについて紹介してみた。これも、絶対的でないので、状況によっては売った後にしばらくして買いになるケースもたたある。あくまでもタイミング判断の参考にすることが望ましい。

A、大黒線。図は昨年2003年10月15~24日までのソフトバンクのチャートである。10月22日に7250円で寄り付き瞬間7300円高値をつけた後、踏み板を外したようにドーンと急落。アッという間に6140円まで叩き込まれ、6400円で引けている。前日比720円安の大陰線となった。10月15日5400円から一気に2000円の棒上げで天井をうったとたんこの大陰線をみた。この大陰線こそ、不吉な大黒線と呼ばれ、大天井を知らせるものである。めったにでない線だが、急騰が続いた後に一気に出現する。これがでれば、問答無用の成り行き売りである。妙な指値をすれば取り返しのつかないことになりかねない。

B、三空は売り。買いのところで説明した一空のように、株価に連続性がなくなり、一気に値が飛んだ場合を空とかマドと呼ぶ。図のように3つのマドが開いた場合には買いではなくて、売りになる。株価の習性として、マドは埋めにくるものであり、3つも短期の間にマドが開けば、反落する確率が高い。したがって、一旦、売りとなる。

C、陽の陰はらみは売り。相当上昇して長い陽線がでた翌日にその中で陰線がはらむ形になった。そして、更に翌日に下に放れた。売りのサインである。大陽線がでて、「さあ、これから」と気分を浴した直後に、売りのサイン。ガックリするが、心を鬼にして決めざるを得ない。このチャートは上昇中に何回もみることがある。連続陰線となることもある。その際には若干調整した後に改めて直ることがある。その意味で決定的な売りにはならない。しかし、大きく上昇した後のこのパターンは退却を要する。

D、かぶせは売り。これも相当上昇した後に出る売りサイン。陽線の翌日、買い気配から始まって高く寄りつき、「さあ、今日も上値を期待できるぞ」と思わせて、大引けにかけて、急落し大陰線となった形である。なんだか、頭から殴られたようにみえる。これをかぶせの大陰線と呼ぶ。不吉な陰線で即刻、退却し手仕舞う。

E、三羽烏は売り。高値圏で小さい陰線が連続して3つ続く形を三羽烏と呼ぶ。カラスが三羽だから不吉である。小幅連続安であり、なんとなく気にしなくても良いと思われるが、後で、大きな陰線がくることが多く、危機が迫る前触れのサインとみるべきである。

これと似たようなサインで三手を待てという形がある。三羽烏と似ているが、これは3つ陰線が出て陽線がでれば買いというサインになるので、押し目買いを意味する買いのサイン。決定的な違いは陽線の上から差し込む形で最初の陰線が入ったのが、三羽烏。それに対して、三手待ちは陽線の上から陰線になっても、陽線の実線部分に入り込まないで引けた形になっている。差し込まないで終わった姿が大事な点である。

F、急落途中の大陽線は売り大幅な下落が始まって、一旦、大陽線が入る。逆襲線である。これが出れば逃げそびれた助け船と思って、その戻りを売ることである。大陽線がでて「明日こそは高い」と思って、その陽線がでた晩に一杯機嫌で呑みにいけば、翌日には青い顔をしなくてはならなくなる。

G、上値で陽線3~5本は売り。上値でこの形がでると上伸力が弱いと判断して、即刻売る。このチャートがでている間は急落がないが、間もなく急落という暗示になる。陽線が続いてでているだけに、明日は高いと誰しも思うが実は逆であり、早々と始末することが大事である。

H、上っ放れ十字は売り。相当上昇して、更に、大きな陽線が出現した後に、十字足がぽ~んと離れた位置に出た形を上っ放れ十字と呼ぶ。翌日、放れた方向につく。しばしば天井形成に現れるチャートであり、注目する必要がある。

 以上売りのチャートの主なものだけをとりだして説明してみた。いろんな売りがあるものの、基本的には好材料を織り込んでいく過程で、需給のバランスが崩れるときがある。バランスが悪化する場合を売りと呼び、好転する場合が買いというサインになる。したがって、チャートをある程度みておれば、需給の現状がよく分かり、材料の織りこみ具合いも比較的つかみやすい。 

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