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8 塩漬けの処理法

 この項を設けたのは多くの投資家が投資額の大きな部分をどうにもならない株式をも続けており、その処分を放置したままにしているため、投資金額がフルに生かされていない実情があり、筆者なりの処理方法をアドバイスしてみた。

 Aさんは700万円の投資資金で次のような銘柄をもっている

銘 柄 株 数 買 値 時 価

C銘柄 1000株(450円)150円 

D銘柄 1000株(860円)425円

E銘柄 1000株(652円)260円

F銘柄 1000株(786円)333円

G銘柄 2000株(350円)230円

H銘柄 1000株(622円)124円

Ⅰ銘柄 3000株(324円)265円

J銘柄 1000株(525円)125円

現金170万円

株式への資金 556万7000円

時価 284万7000円

評価損▲272万円

というような状況になっている。どの銘柄も半値もしくはそれ以下という惨憺たる状況である。

 筆者はこのような投資相談を数多く受けた。この場合、「これは売りましょう。これは持続、これはナンピン買いしましょう」などといって細かく指導しても基本的にラチがあかない。そこで、「あなたはどの銘柄を最低限残したいのですか」と聞く。しかし、「どれがよいのか迷ってしまう」という答えがほとんどであり、結局、こちらが大筋を決めてあげることになる。

 そこで、CとEの銘柄は前期まで悪い決算だったが、今期は業績回復を見込めるため、売られすぎの傾向があるので、この2銘柄には5000株づつ買いましょう。後は全部処分して、現金化けして、この2銘柄の下値を買う資金として残すと同時に、次のチャンス銘柄のために使わないで残しましょう、というように指導する。

 すると次のようになる。

 銘柄 株 数 平均コスト 時 価

C銘柄 6000株 200円  (150円)

E銘柄 6000株 325円  (260円)

投資資金 315万円

残り金額 161万円

損失額 ▲224万円

 業績好調の目立つ2銘柄に投資した上に、買いコストが時価にかなり近づいたことは利食いのチャンスが生まれてきたことになり、これは塩漬け投資とは違う形になった。もしも、残った資金は後、30円下落すれば2000株づつ買うというように決めておき、決して他の銘柄に浮気してはいけない。この2銘柄が決着をつけるまで、じっと2銘柄と勝負していくことが大切である。好業績予想銘柄がそのまま全く戻らず、更に、売られるということは確率して低いために更に、売られた場合には勇気をもって買うことが大事になる。

 そういう考え方を更に、一歩進めて銘柄を一本絞ることも戦略として悪くない。CとDを比較してCのほうが業績面の変化率が高く、しかも、ヒット商品で伸ばしていることが分かれば、C銘柄に集中させることも一策である。

 また、自分の所有銘柄の中にそれほど魅力的な銘柄がない場合には、思い切って全株処分するのである。一見、大胆な処分のように思われるが、塩漬け銘柄は流れに完全に取り残された銘柄であり、そのままもっていても、投資効率が非常に悪い。一気に、処分して問う効率のよい銘柄に乗り換えるのである。そして、残った資金でひとつの銘柄に集中させる。一極集中の方法はすでに集中投資の項で説明したとおりである。銘柄の選択を重視して、すべての資金を一気に投入しないで、タイミングをみながら、株価に分散投資をし、かつ、現金を最後に30%残して買う方法である。もちろん、損きりの設定などを忘れてはならない。

 1000株づつ多くの銘柄をもつことはリスクの分散ではないのだ。ただ、どの銘柄も自信がなくて、中途半端になり、結果として「損の分散」をしただけなのである。

 株式投資は時には自信をもって大胆に、そして、「しまった」と思えば、即、問答無用で電光石火の退却をしなければならない。また、慎重に行動を取り、静かに上がるときを待つというしぶとさも必要である。そうした臨機応変の対応をしなければ、激しい流れの株式投資で成功することは難しい。

 投資銘柄の組み合わせによる投資作戦でもよい。①本命銘柄と材料株、低位株など目先の銘柄の組み合わせ、②ハイテク銘柄と内需銘柄の組み合わせ、③日経平均採用銘柄とそれ以外の銘柄④一部市場銘柄と新興市場銘柄の組み合わせなども投資作戦として有効である。ただし、組み合わせだからといって、3~5銘柄を超えて保有してはいけない。それぞれの銘柄の勝負が決着して次の銘柄を買うことをしなくてはいけない。その意味で株式投資はマージャンと同じだということをいっている。

ひとつ入れば一つ出て行く方式である。

それも塩漬けを防ぐ方法である。すでに、これらのことは再三にわたって説明済みで蛇足と思われるが、それでも、理解できないで、依然として失敗を繰り返すものなのである。「言うは易し、行なうは難し」であるが、勇気をもって行動を起こすことができるならば、過去の失敗は防げるものと信じている。

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